リグロス・歯周再生療法~歯周病で失った組織の回復~

歯周病は症状が特になく進行していくことが多いです。気づいたときには歯周病が進行していき症状が悪化していることが多く、歯周組織が破壊されてしまっています。特に歯周病で問題になるのが、歯槽骨(顎の骨)が溶けてしまうことです。歯槽骨は一度溶けてしまうと自然に戻ることはなく、歯周病は治療できず進行を止める病気だと言われる所以はここにあるのではないでしょうか。今回は歯周病治療の新しい選択肢として広まりつつある、リグロスを使用した治療法についてうちの歯科クリニックが紹介していきます。

リグロスとは何か

リグロスとは何か
リグロス(一般名:トラフェルミン)は骨の再生や血管を新生する効果のある「FGF2」というタンパク質が含まれているので組織を再生する効果が期待できます。
もともとトラフェルミンは寝たきりの老人に起きやすい褥瘡(じょくそう)の治療に使われていました。褥瘡は寝たきりなど血液の流れが悪くなることや同じ場所へ体重がかかっていることで皮膚が悪化している状態です。
皮膚組織を修復するということでトラフェルミンは使用されていて、その応用として歯周組織再生の薬として使用され始めました。また褥瘡に使用されているトラフェルミンでは副作用が少ないのが特徴的で、リグロスとして歯周組織再生治療に使用しても少量の副作用で済むと考えられます。

他にある歯周病治療

歯周病治療は週に何度か歯科医院へ通うことで行う歯周基本治療と、歯周基本治療をした後に行う、歯周外科治療に分けることができます。歯周基本治療では歯の清掃をメインで行い、歯を清潔に保つことで歯周病の進行を止めることが目標です。歯周外科治療では歯茎を切って、顎の骨を露出し骨がないところには骨が増える薬を歯茎が少なくなっているところには歯茎を足す処置を行います。また骨や歯茎の再生治療もありますが、術式が複雑で歯医者さん全てが出来るわけではないです。

リグロスの再生治療

リグロスの再生治療
リグロスは少し歯茎を切りひらくことで歯槽骨を露出させて歯と歯の根っこについているプラークや歯石を除去します。今までの再生療法ではここで歯に薬剤を塗り、前処置をしてから再生治療薬を塗布するか、膜を設置し新しい組織を誘導することが必要でした。
しかし、リグロスではそんな手間は必要なく、歯についているプラークと歯石を除去したらリグロスを塗りその後歯茎を縫合するだけです。術式が簡単になるということは歯医者さんや歯科スタッフにとって良いことですが、患者さんの負担も少なくなるというメリットもあります。