小児口腔機能発達不全症
「食べる・話す・呼吸する」
を育てる
小児口腔機能発達不全症をご存じですか?
実は今、子どものお口の環境に大きな変化が起きています。
過去15年ほどで、子どもの虫歯の数は半分以下に減りました。しかしその一方で、「歯並びが悪い」「口がポカンと開いている」といったお口の機能発達不全は、約1.75倍に増加しています。
(文部科学省「学校保健統計調査」より)
「うちの子は虫歯がないから大丈夫」
そう思っていても、実は「噛む・飲み込む・呼吸する」といった機能が、年齢相応に発達していないお子様が増えています。
こんなサインは
ありませんか?
以下のような様子が見られる場合、単なる「癖」や「性格」ではなく、
お口の機能を育てるためのトレーニングが必要な状態かもしれません。気になるサインがあれば、一度ご相談ください。
食べるとき
- 食事に時間がかかる、または早食いで丸呑みしている
- クチャクチャと音を立てて食べる
- 硬いものを嫌がる
- よく食べこぼす
日常の様子
- 食事にテレビを見ている時など、いつも口がポカンと開いている(口呼吸)
- 指しゃぶりや爪噛みの癖が治らない
- 発音がはっきりしない(サ行やタ行が言いにくい)
- いびきをかいて寝ている
お口の機能低下を放置すると、
リスクにつながる場合もあります。
お口の機能低下を放置すると、見た目の問題だけでなく、全身の健康に関わるリスクにつながる場合もあります。
ここでは代表的な3つのリスクをご紹介します。
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窒息事故のリスク
「噛む力」や「飲み込む力」が十分に育っていないと、食べ物を喉に詰まらせてしまう窒息事故のリスクが高まります。実際に、窒息による重篤な事故は低年齢のお子様を中心に報告されており、食べる力を育てることは健康を守る基本でもあります。
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ウイルス感染とアレルギー
口呼吸(お口ポカン)のお子様は、フィルターの役割をする「鼻」を使わず、ウイルスや細菌を直接体内に取り込みやすくなります。その結果、風邪をひきやすくなったり、アレルギーの症状が出やすくなったりすることがあります。また、口の中が乾燥しやすくなるため、虫歯や歯肉炎のリスクも高まります。
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歯並びの悪化
舌が正しい位置(上顎)にあることは、顎の正常な発達に関わっています。舌が下がった位置にあり続けると、上顎の成長が十分に促されず、永久歯が並ぶスペースが不足する場合があります。結果として歯並びや噛み合わせに影響が出て、将来的に矯正治療が必要になることもあります。
当院の検査と診断
当院では、お子様の口腔機能を専用の測定器具を用いて数値化し、客観的な評価に基づいて診断を行います。
検査結果をもとに、お子様一人ひとりの状態に合わせた管理計画・トレーニングメニューをご提案いたします。
小児口腔機能発達不全症の診断・管理・トレーニング指導は、保険診療の範囲で継続的に受けていただけます。
口唇閉鎖力検査
お口をどのくらいの力で閉じられるかを測定する検査です。口呼吸の傾向がないか、唇の力が年齢相応に育っているかを客観的に評価します。年齢・性別に応じた標準値と比較することで、お子様の現在の状態を把握し、必要なトレーニングの方向性を決めるための指標とします。
写真引用元:お口の情報室
舌圧(ぜつあつ)検査
舌を上顎に押し付ける力(舌圧)を測定する検査です。舌の筋力が十分に育っているかを評価することで、飲み込む力や発音に関わる機能の状態を把握します。
年齢ごとの標準値と比較し、舌圧が基準値を下回っている場合は、舌の動きを整えるトレーニングを計画します。
写真引用元:お口の情報室
トレーニング・治療法
小児口腔機能発達不全症の治療は、お口や舌、唇の筋肉を育てるトレーニング(MFT)が基本となります。
当院ではスタッフ全員がMFTの研修を受け、お子様の状態に合わせたメニューをご提案しています。
MFTに加えて、装置による補助が有効と判断される場合には、マウスピース型装置「プレオルソ」の併用をご提案することがあります。
検査結果やお子様の状態、保護者の方のご希望を踏まえて、適切な組み合わせをご提案します。
どちらの治療も、お子様の負担が少ない方法で、「食べる・話す・呼吸する」お口の基本機能を育てていくことを目指します。
口腔機能トレーニング(MFT)〔保険診療〕
MFTとは?
MFT(Myofunctional Therapy/口腔筋機能療法)は、お口や舌、唇の筋肉を正しく使えるようにするためのトレーニングです。「食べる・話す・呼吸する」というお口の基本機能を整え、将来の歯並びや全身の健康の土台づくりを行います。
当院スタッフは、MFT認定を受けています
当院では、院長をはじめスタッフがMFTの認定研修を継続的に受講しており、お子様の年齢や状態に合わせたトレーニングを提供しています。
ゲーム感覚で楽しく続けられるメニューを中心に、ご家庭でも無理なく取り組める内容でご提案。お子様のモチベーションを保ちながら、着実に口腔機能を育てていきます。
実際のトレーニングの様子
※動画には音声が含まれています。
プレオルソ〔自費診療〕
プレオルソとは?
プレオルソは、お口周りの筋肉を整え、歯並びに影響する「癖」を改善するための、取り外し可能なマウスピース型の装置です。お子様の成長期に使用することで、歯を動かす前の土台づくりや、将来の歯並びを見据えた予防的なアプローチを行います。
当院では、MFTに加えて、装置による補助が有効と判断される場合に、プレオルソの併用をご提案しています。
プレオルソで取り組めること
- 鼻呼吸への改善に向けたサポートを行います
- 舌の位置や口周りの筋肉のバランスを整えます
- 将来の歯並びに影響する悪い癖を改善します
- 本格的な矯正治療を行う場合の土台をつくります
- 矯正治療後の後戻りを抑制します
使用方法
日中1時間程度と、就寝時にご装着いただきます。
学校や外出時には使用しないため、お友達に気づかれにくく、お子様の負担が少ないのが特徴です。
対象年齢と治療期間
対象年齢:4歳〜10歳頃が目安
治療期間:個人差がありますが、1〜2年程度を目安としています。お子様の成長や癖の状況、治療の進み具合によって期間は前後します。
費用
55,000円(税込)
※自費診療となります
想定されるリスク・副作用
- 装着時に違和感や痛みを感じる場合があります。
- 毎日の使用を継続できないと、十分な効果が得られない場合があります。
- 効果の現れ方には個人差があります。
- 症状によっては、プレオルソのみでの改善が難しく、本格的な矯正治療が必要となる場合があります。
- お子様の協力が得られない場合、治療の継続が困難になることがあります。
プレオルソ治療に関する注意事項
- 未承認医療機器について:プレオルソは、医薬品医療機器等法上の承認を受けていない医療機器です。
- 入手経路:本装置は、株式会社デンタリード(大阪府)より、プレオルソ講習会の修了者として入手しています。
- 国内承認医療機器の有無:同一の機能を持つ国内承認医療機器はありません。
- 諸外国における安全性等に係る情報:諸外国での承認状況に関する情報は、当院では把握していません。
まずはご相談ください
当院では、口腔機能発達不全症に力を入れており、研修を受けた歯科医師・歯科衛生士・スタッフが対応します。
私たちが目指すゴールは、お子様の「食べる・話す・呼吸する」という機能を正しく発達させることです。 お口周りの筋肉や骨格へアプローチし、機能を正常化させることは、将来的な歯並びや顔貌のバランスを整えることにも直結します。トレーニングの効果はお子様の成長スピードによっても異なりますが、歯科医師・歯科衛生士・そして保護者の方がチームとなってサポートすることで、お子様の可能性を引き出していきましょう。
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